航空母艦化が進められる「いずも」の期待される国防と中国との比較

「小型ながら最大の海空作戦能力」を把持

 

2015年3月に就役した「いずも」をはじめ日本の海上自衛隊が現在所有する航空母艦は、「ひゅうが」、「いせ」そして「いずも」の二番艦である「かが」の4隻。ヘリ空母として、主な艦載機は哨戒ヘリコプターであるシーホークを3〜5機同時に発着できる甲板をもつ他、エレベーターで直結された格納庫にも10~15機のヘリコプターが収容できるとされています。このヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」「かが」に短距離・垂直着陸可能な最新鋭ステルス戦闘機であるF-35B戦闘機を掲載できるよう改修費用が防衛予算として計上されることが注目を集めています。

「小型ながら最大の海空作戦能力」を把持

2015年3月に就役した「いずも」をはじめ日本の海上自衛隊が現在所有する航空母艦は、「ひゅうが」、「いせ」そして「いずも」の二番艦である「かが」の4隻。ヘリ空母として、主な艦載機は哨戒ヘリコプターであるシーホークを3〜5機同時に発着できる甲板をもつ他、エレベーターで直結された格納庫にも10~15機のヘリコプターが収容できるとされています。このヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」「かが」に短距離・垂直着陸可能な最新鋭ステルス戦闘機であるF-35B戦闘機を掲載できるよう改修費用が防衛予算として計上されることが注目を集めています。

世界に中国が発表しているだけでも、日本の4倍の国防予算を投じ、南シナ海での活動を活発にしている中国に対する牽制であることは明らかです。現に中国側もこの報道に対し、反発を示し、この改修により日本は10機以上のF-35Bを搭載できる空母を2隻も所有することに警戒をあらわにしています。

いずもは2019年末から飛行甲板の耐熱工事や誘導灯の設置工事が改修作業と合わせて行われています。また甲板はF-35Bが離発着できるようアメリカ海軍仕様の黄色いセンターラインも引かれました。これだけでも今後のアメリカ軍との協力体制が取れているのが見て取れます。アメリカの外交専門誌「ナショナル・インタレスト」では「改修が進めば、それぞれ12機前後のF-35Bが搭載できるようになり日本の防衛力に強力な海空作戦能力を発揮するであろう」と紹介しています。

「いずも」は脅威たるか否か。中国の反応は?

香港で出版されている日刊英字新聞「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」によると2012年に就役した「遼寧」、「山東」という6〜7万トンクラスの空母を保持、さらに3隻目の空母を急ピッチで建設中の中国にとっては、3万トン未満の「いずも」など取るに足らない、という意見も多く見られていますが、「いずも」そのものよりもアメリカの全面協力のもとF-35Bの離発着訓練を行ったことや、今後も合同の任務や作戦を行うことは十分警戒すべきという意見も出されています。

中国のネットサイトでも活発な意見が交換されており、メディアのみならず多くの中国人が注目されているようです。ネットユーザーの意見は「日本は恐るるに足らない」という意見と「十分に警戒が必要」と真っ二つに割れているようですが、もとより中国は航空母艦への並々ならぬ情熱があり、国民の90%以上が空母が必要と答えたことも。中国共産党機関紙である人民日報の英語版「グローバル・タイムズ」では、2020年以降に建設予定の6万トン以上のクラスの原子力空母2隻を含め5隻で将来的に運行する予定だと報じました。

短魚雷発射管やアスロック対潜ミサイルなどを格納する垂直発射装置を持たない「いずも」型2隻の空母だけでは中国に対峙するのは厳しいですが、将来的に英空母「クイーン・エリザベス」級の6万7000トンオーバーの空母を日本が保有することは可能だとナショナル・インタレスト紙は伝えています。空母化した「いずも」によって、国家の威信や防衛力を示すことも可能となります。また、今回の「いずも」の建設、運営の経験を元に、西側諸国と協力体制を取れることは中国に対して大きくリードできることに繋がるとも指摘しました。

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